輪島のゼフィルス2種

                「アカハネムシ 22号(Mar 1997)」                            天野 勝広  平成8年(1996)輪島市でゼフィルス2種を採集したので報告する。 6月15日に、三井地区でアカシジミを採集確認できたので、20年ほど前 に購入してあった5本継ぎのゼフィルス用の竹竿を持って、可能性の有りそ うな高州山に6月25日から登った。何度か登り、初めにアカシジミを採集 確認できた。その他に、次の2種を採集確認できた。    ●ミズイロオナガシジミ  7月6日午後4時頃高州山に息子の貴規と登った。登り口からあまり遠く ないカーブの地点で、ミズキの木だと思うが、その木の葉の上に白っぽい小 さな蝶がとまっていた。翅にゼフィルス独特の波模様が確認できたので、あ わてて車を止め、ネットを出して採集した。逃がしてはだめと力を入れすぎ たため、翅がネットの中でかなり破損した。ミズイロオナガシジミの雄1頭 を採集確認できた。その後、何度か探したが確認できたのはこの1頭だけで あった。    ●エゾミドリシジミ  7月7日午後5時頃息子の文博と貴規とで高州山に登った。時間的に一般 的な蝶はほとんど見られなかったが、梢の上には何頭か確認できた。5本継 ぎのゼフィルス用の竹竿はかなり重いので文博が持っていた。30分ほどた った頃、捕まえたといって持ってきたので、ネットの中を見るとミドリシジ ミの雄だった。その時はオオミドリシジミだと思っていた。(オオミドリシ ジミは、1976年7月6日に市内の一本松公園で雄雌各1頭づづ採集確認 をしている。)家に帰り、藤岡知夫著の「検索図鑑日本の蝶」のミドリシジ ミ類検索表などで調べると、後翅表面の外べりに沿う黒帯の幅が広い、後翅 裏面のだいだい色の紋が一つの紋に結合している、などエゾミドリシジミの 雄と確認した。その後、何度か山に登り、ミドリシジミらしき蝶の採集チャ ンスが5,6回ほどあったが、残念ながら採集できなかった。標高は、山頂 に近い地点なので500m位と思われる。  なを、同定に際して、武藤 明先生にお忙しい時期にご無理をお願いした ことを、ここにお詫びと感謝を申し上げます。 〈参考文献〉  原色原寸検索図鑑日本の蝶    藤岡 知夫 著    主婦と生活社  原色日本蝶類図鑑        横山 光夫 著    保育社  原色日本蝶類幼虫大図鑑Vol.1   白水 隆・原 章共著 保育社  日本産蝶類大図鑑        藤岡 知夫 著    講談社    


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